ハネルカのBASIC LINEのテキスタイル・デザインには、「縞」「鱗」「水玉」の3柄と、「クモフラージュ」と名付けた迷彩柄があります。よく見かける一般的な柄ではあるのですが、どれも日本の伝統紋様として古くから使われてきた柄からピックアップし、ハネルカ流にアレンジしたデザインとなっています。
縞
縦でも横でもない、斜め縞にしたのは、生地から製品に仕立てた時のデザインを想定してのこと。太さやピッチなど何種類も検証した上で、現在使用しているパターンとなりました。
斜め縞は日本の伝統紋様としての呼び名に「小六」や「手綱」という言葉があり、小六は江戸時代、享保(1716-1736)の頃の名女形だった歌舞伎役者、嵐小六が「夢結ねぐらの蝶」のお房役の舞台衣装に用いたことから流行したと言われている柄です。手綱は、馬を引く手綱が斜めに張った様子からその名が取られました。

鱗
鱗柄は魚や蛇の鱗に形が似ていることからそう呼ばれるようになり、蛇の脱皮のイメージや鱗で身を守るイメージから、厄除け、厄落とし、再生や成長の意味を持つものとして、縁起物とされてきました。本来の鱗柄は三角の頂点同志がくっついてつながっている状態のものですが、ハネルカは三角同士を少し離して抜けを作ることで、いかにも和風、和柄になってしまうことを回避して、北欧っぽい雰囲気とモダンなテイストを表現しました。

水玉
水玉もまた、日本のみならず、世界中で親しまれてきたテキスタイルデザインの元祖とも言うべき柄かと思います。ハネルカの水玉は、ドットを大きめに、間隔を広めにすることで、洗練された大人も持てる水玉柄にしました。
水玉も日本の伝統紋様としては、吉祥紋として着物や器、伝統工芸品などに古くから取り入れられてきました。丸い形は太陽や月、宇宙などを象徴するとして、幸運や魔除け、子孫繁栄の意味を持つとされてきています。また水滴のイメージから厄を流して新しい始まりを象徴するとも言われているそうで、ラッキーアイテムとして身につけると良いかもしれません。

ハネルカの色
ハネルカの倉敷帆布のシリーズはスタート時、4色展開でした。朱色、空色、たんぽぽ色、墨色。すべて日本の伝統色として使われてきたカラーをピックアップしています。現在は墨色だけの展開となっていて、このページの写真にあるようなカラフルなアイテムは販売を終了していますが、LIFE WITH PETS by hanelcaの商品には、引き続き各色の生地を採用しています。
この3種類のテキスタイルを12年も使い続けるとは、最初に方向性を決めた時には思っていませんでしたが、柄によってデザインを左右されることなく、さまざまな形のバッグに姿を変え、結果的にハネルカのアイデンティティとなったことは、12年の経緯を振り返ってみると、改めてすごいことだなと思ってしまいます。
これからも皆様に長く使っていただけたら嬉しいです。