京都・小野内商店さんとの傘づくり

ハネルカでは、オリジナルの風呂敷に防水・撥水加工をかけた生地を使って、晴雨兼用傘を作っていますが、その製造を依頼しているのが、京都の老舗洋傘メーカー小野内商店さん。先日、工房を訪問して製作過程の確認、打ち合わせをしてきました。

京都市北部の美しい山里、京北に工房があります。

小野内商店さんは、洋傘・肩掛(ケープ)製造卸業者として1903年に京都中京区で創業しました。途中、戦争による疎開や移転を経験しながら、先祖代々その歴史と技術を継承し、現在は四代目となる小野内崇士さんと香織さんご姉弟が中心となって、様々なブランドのOEMやオリジナルブランドの事業展開をされています。

工房の壁にかけられた、様々なサイズの傘の木型。これを使って手作業で裁断していきます。

今回製造をお願いしたのは、ハネルカの万華鏡柄の風呂敷を使った晴雨兼用日傘。裁断された際の柄の出方や、各種パーツの確認をしながら、制作作業を見せていただきました。

木型と専用の包丁を使って裁断していきます。今回、いつもより生地の幅が狭く仕上がってきたため、傘にするのはギリギリのサイズ。慎重に具合を見ながら1枚ずつ裁断してくださっていました。
小さなパーツもひとつひとつ手作業で作られています。
生地を骨に留めていく手縫い作業は香織さんが担当。数百、数千本単位のオーダーでもこのようにひとつずつ手作業なのです。

小野内商店さんの傘は、折り畳みであっても長傘であっても、広げた時の形がとても美しいのが特徴で、自ブランドの商品として小野内さんの傘を手にしてから、他社の既製品と比較して見るようになり、その違いがよくわかるようになりました。

「超軽量00g !!」「遮光率99%! 」などとうたわれている、最近の機能性商品はそれはそれでもちろん利点があるのですが、上品さと美しさを持つ小野内商店さんの傘は、使うのがとても楽しみで、「日傘を使いたいから」暑い夏でも外に出かけたくなる、持っていることが嬉しくなる、そんな特別感のある傘なのです。傘ひとつがそんな気持ちにさせてくれるなんて、小野内さんの傘に出会うまで思ったことがありませんでした。

京都で染められた風呂敷を京都の日傘工房で仕立てていただける。偶然つながったご縁ではありましたが、どちらも100年以上の歴史のある京都の伝統産業。ハネルカのような小さなブランドでも、親切に丁寧にお仕事を受けてくださることに、日々感謝しています。

ハネルカの各地のポップアップでは、小野内商店オリジナルの日傘も合わせて販売しています。ぜひこの夏から使ってみてくださいね。

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